2010年10月26日火曜日

羽田、徹底活用「裏ガイド」

ハブ空港を目指して始動した羽田の国際線ターミナル。本当に使える空港なのか!?
(以下引用)
21日に新滑走路と新国際線ターミナルの共用が始まり、31日からは国際線定期便が就航する東京・羽田空港。都心からのアクセスが便利になり、新ターミナルにできた個性豊かな店舗も注目を集めているが、家族旅行や出張で羽田を利用する機会の多いサラリーマンにとって、本当に使い勝手のいい空港なのか-。各方面の専門家に取材し、実際に空港内をくまなく歩いてテレビでは報じられない裏の活用ガイドをまとめた。

 【交通アクセス】 
「新」羽田空港の最大のメリットは、都心からのアクセス。東京モノレールは国際線、第1、第2ターミナルの順に到着するが、浜松町-羽田空港国際線ビル間を最速13分、京急は品川からノンストップのエアポート快特で羽田空港国際線ターミナルまで最速13分、横浜からはエアポート急行で26分と、たしかに早い。だが、国際化したとはいえ、圧倒的に利用客が多いのは国内線だ。余計な駅ができてダイヤに影響はないのか。

 京急は「今年5月のダイヤ改正時点で国際線ターミナル駅の停車時間も含めて徐行運転をしたので、21日の開業後もダイヤに変化はない」。東京モノレールは「今年4月に軌道を切り替え、全体距離が57メートル長くなった。国際線ビル駅ができて、第1、第2ビル駅(国内線)までの所要時間は約1分延びた」と説明。1分1秒を争うビジネスマンは注意が必要かも。

【羽田か? 成田か?】

 「自宅から、(羽田と成田の)どちらが早く着くかを改めて計算してみるべきです」と語るのは、鉄道アナリストの川島令三氏。羽田は「近くて便利」というイメージがあるが、今年7月の成田スカイアクセス開業でスカイライナーが日暮里-(成田)空港第2ビル間を所要36分で結んでいる(開業前は51分)。結果、羽田より成田のほうが近い地域が新たに出現した。

 川島氏はスカイライナーについて「始点が京成上野と日暮里というのが弱点」と指摘。「スカイライナーが都営浅草線から京急に直通運転できるようになると羽田-成田間が1時間10分ぐらいで結ばれて大きな変化が起きるはず。だが実際にはダイヤが過密になったり、車両前面の改造が必要など、さまざまな要因で実現が難しい」という。

 【航空運賃はどちらが安い?】

 航空券の価格設定はどうか。サラリーマンの一般的な冬休みとなる12月28日出発、来年1月4日帰国の直行便で、空席がある航空券の相場を調べてみた。

 羽田でも便数が多いソウル便は、成田との差額はわずかに2000円高いだけ。しかし、台北便は約1万5000円、バンコク便では約3万6000円、ロサンゼルス便は約7万円、パリ便は2万8000円と、かなりの差額が生じ、いずれも成田発が安かった。

 ただし、抜け道もある。航空会社の発券に詳しい関係者は「出発日によっては、成田と競合する東南アジア路線で早朝の羽田便を『叩き売り』することもある」といい、出発前のチェックは不可欠だ。

 【週末旅行には最適】

 羽田発の国際線は、多くが深夜便だ。『サンデートラベラー!』(角川文庫)の著者で、年に10回は週末の海外旅行を楽しむという会社員の吉田友和氏は「成田のダイヤでは金曜に有給を取らざるを得なかった。羽田の深夜便ができたことで、休まずに丸2日間、海外で自由な時間が持てる。2日もあれば、かなり外国に行った気分になれるし、仕事にも支障はない」と、羽田の国際化を歓迎する。「お勧めはタイのバンコク。乗り継げば短時間でカンボジアにも行ける。ハワイも週末旅行の視野に入り、リピーターにはうれしいでしょう」

 【国際線ターミナル】

 新国際線ターミナルの4階と5階はショッピングやグルメが楽しめるゾーンだが、注意が必要。「お江戸」をイメージした和風の店舗はいずれも一食の単価が1000円以上で、牛丼店の安売り競争に一喜一憂するサラリーマンには敷居が高い。5階は玩具店やキャラクターショップがやたらに多いので、子供や孫連れの人は出費の覚悟が必要かもしれない。

 施設関係者は「賃料が高い分、小振りの店構えで単価の高い物を売る店が多くなってしまった。しかも、完全な“空港プライス”。自動販売機も少なく、ちょっとした買い物がしにくい」と内情を明かす。3階出発階の京急駅構内と1階にコンビニがあるが、空港関係者も利用するのでレジは混雑気味だ。

 【免税店は?】

 保安検査を受けて出発時間までのお楽しみが、免税店めぐり。旧ターミナルに比べて大幅に面積が拡大したが、高級ブランド店や化粧品店がほとんどで、紳士が必要なのはたばこぐらいか。家電ショップもあるが、居並ぶ炊飯器に興味を示す日本人は少ないだろう。

 意外なところでは、北海道でしか販売していない銘菓「白い恋人」(12枚入り740円)が、3店舗に大量入荷されており、逆輸入用のお土産になりそう。

 食事は4階の「トウキョウスカイキッチンフードコート」(24時間営業)が、カツ丼650円、にぎり寿司700円、きつねうどん550円など。なぜかここだけ物価が“正常”なので、フトコロの寂しい人は狙い目だ。
(引用元:ZAKZAK)